こんにちは。
先日行われた「丹波篠山ABCマラソン」で自身4度目のフルマラソンに挑戦し、
体全身が疲労により、思うように動かないノボルです。
教育、子育てを共育=「大人も子どもも笑顔になる」と捉えて、頑張っている若手先生や仕事と家事・育児の両立に悩むママパパ先生の力になりたいと発信しています。
今回は、「通知表所見」についてです。
通知表では、数値やABCで評価する項目もありますが、今回は「所見」について書きます。
所見と聞くと、
時間がかかるから嫌だ~
何を書けばよいかがわからないんだよ・・
という声をよく聞きます。
この記事を読めば、初めて所見を書く若手先生でも書くコツがわかり、保護者に届く所見を仕上げることができます。
ノボルが父親として、そして10年以上教壇に立っている教師として培ってきた経験をこの記事に凝縮しました。ぜひ、最後までお読みください!
- 通知表所見を初めて書く若手先生
- 通知表所見を書くことに悩んでいる先生
- 通知表所見が全然進まない先生
まずは、ノボルの自己紹介から!
- 『大人も子どもも笑顔になる』がモットー
- 現役小学校教師11年目。1~6年全学年担任経験あり
- Q-Uによる学級満足度90%越え
- 教育、ビジネス、自己啓発などを中心に年間100冊以上の書籍を読破
- 義務教育学校経験。小学校に所属しながら中1社会を担当経験
- 学年主任の経験
- 学級担任に加え、人権主担・生活指導部長・道徳推進教師など複数の校務分掌を掛け持ち
- 病休経験→働き方を見つめマインドを整え小学校教員として復活
- 娘と息子をもつ2児の父親『行動で示すカッコイイ父ちゃん』が目標
- 1年間の育短(週に3日勤務、2日を育休)経験
- 仕事と家事の両立をめざし、時短家事コーディネーター資格取得
- 30歳を機に、フルマラソン挑戦。以降、毎年フルマラソン参加。
通知表所見の目的は?
いぬ先生、通知表所見の目的は何ですか?
えええー。そんなこと考えたことないです・・
ですよね。目的を知っておくことで実際に作成する時にスムーズに取り掛かることができるので、一緒に考えておきましょう!
学校生活における子どもの成長を言葉で綴ることで将来への手がかりを提供する
通知表には教科の成績や生活の記録などを記載します。子どもも保護者ももらうことが当たり前で、学校としても作成することが当然のような感じですが、実は法的な根拠はなく、作成自体も各学校に任されています。実際に通知表を発行しないで保護者と面談をする学校もあるそうです。
私はこれまで3校勤務しましたが、通知表がない学校を経験したことがありません(笑)
通知表は、子どもの学習や成長の様子を保護者にお知らせする大切な手段です。その目的は、子どもが学校での経験を通じてどれだけ成長し、どのような学びを得ているかを共有することです。
成績だけでなく、人間関係や態度なども総合的に評価し、保護者と共に子どもの将来に向けてサポートするための手がかりを提供します。
通知表は一つの瞬間を捉えるものではなく、学校生活で子どもの喜びや挑戦を理解し、共有する場でもあります。子どもの可能性を最大限に引き出し、共に歩む成長の旅を支える一助となることを狙って書くものです。
読み手である子どもや保護者に成長が届けられる所見にしたいですね!
所見の基礎・基本
通知表の中でも、文章で子どもの様子を伝えるものが「所見」です。学校生活全般について書く「総合所見」の他、「総合的な学習の時間」「外国語活動」「道徳」が所見です。
では、どのように書くとよいのでしょうか。初任者にとっては悩みどころのひとつになると思いますので、基礎基本まとめました。
① 文字数の目安
そもそも書くことができる文字数によって作戦が変わってきます。ここの文例は80字~90字程度の所見を想定しています。
② 語尾や文末の表現
「ですます」の敬体なのか「である」の常体なのか。
「進級おめでとうございます。」や「今後期待していること」などを書くのか書かないのか。後から直すのは面倒なので事前に確認しておきましょう。
③ 半角・全角の扱い
特に数字です。1桁は全角がしっくりくることもあります。でも、基本的には半角にすることが多いようです。
④ その他の基本的な表記
基本的な表記については、各自治体によってルールが定められている場合があります。
例えば
- 「手短に」「目を見張る」「背筋が伸びる」などの身体表現を含む言葉を使用しない
- 「子ども」「子供」など、漢字で表記するものなのか、ひらがなで表記するものなのか
決まっている場合があります。
あとは、各学校の文化(書きぶりの傾向)がありますのでそこを確かめておく必要があります。押さえておくべき基本を知らずに下書きを進めると、余計な調整が必要になります。
前の校長先生やOKだったものでも、今回の校長先生ではチェックを受けることなどもあるニャン!
確かに、残念ながらチェックされる方の好みもあります。それぞれの先生の好みな部分もあるので、数人書いてみて先にチェックを受けておくといいと思います。
私は、書く前の学年会で書き方をお知らせし、書いた後に学年で読み合う時間をつくっていました。
所見って何を書けばいいの?
子どものピカイチポイント(よさや成長)を書く
通知表所見においては、子どものピカイチ(よさや成長)ポイントを伝えることを心がけています。特に、他人と比べず個々の特長や成長に焦点を当てることが重要です。
例えば、勉強の分野でピカイチなら、その科目における積極的な取り組みや理解力を強調します。また、社交性や協調性が光る場合は、クラスの子どもとの良好な関係構築や協力的な態度を強調します。
感受性や芸術的な才能が際立つ場合、創造性や表現力に富んだ活動への積極的な参加を取り上げると良いでしょう。子どもの個性や努力、進歩に焦点を当て、ポジティブで具体的な言葉を使うことが大切です。
私は、徹底的にプラス言葉を書いています。
マイナスな言葉は書きません。
マイナスな言葉は、何も書面で残さなくても直接その子どもや保護者に伝えます。
だからこそ、一貫して通知表所見には、プラス言葉を書きます。
マイナスな言葉を書かない、徹底してプラス言葉を書くことについては賛否が分かれるところ。学年の先生としっかり話し合ってくださいね。
中には「マイナスな言葉を書きなさい」とする管理職の先生もいますので。私は反対ですが。
子どもたちが自信を持ち、学びながら成長する姿を担任の先生が見とる時間が必要です。
子どもの成長を察知するアンテナを鍛えづづけることが重要です。
それは、単に切り取った時間ではなく、日々の授業や活動が全てです。
子どもが自分に自信を持つってどんなときか?
それは、自分たちが行動していく中での「振り返る」時に実感することができます。
「振り返りジャーナル」を活用してきたので、その中の子どもの言葉を所見に使うことができます。
「振り返りジャーナル」で大切にしてきたことなどの記事はコチラ!
日々子どもと向き合っていれば、子どものピカイチポイントは必ず見えてきます!私とともにアンテナを鍛えていきましょうね!
一文は短く書く
通知表所見を書く際のコツは、一文を短く明確にまとめることです。短い文で伝えることで通知表所見を読む子供や保護者が理解しやすくなります。初心者の先生でも気軽に試せるポイントとして、主語と述語を明確にし、余分な言葉を削ることが重要です。
例えば、
「数学の授業で積極的に質問し、理解を深めています。」といった一文は、
「数学で積極的に質問し、理解を深めています。」
とシンプルに表現できます。具体的な例や具体的な行動を挙げ、書かなくてもわかる表現を避けることで、伝えたいポイントがより強調されます。
「一文を短く書く」という考え方は、通知表所見に限らず、全てにおいて通じる考え方です。例えば、
- 職員会議での資料作成
- 子どもたちへ話す言葉
- 保護者へ配る学級通信
など、あらゆる場面で必要な教師必須思考ですね!
肯定的な言葉を使い、子どもの強みや取り組みをポジティブにアピールすることが重要。短い文ながら、子どもの良い面を引き立て、保護者に良い印象を与えることができますね。
学習面と生活面に分けて書く
通知表所見を書く際のコツの一つは、「学習面」と「生活面」を分けて書くことです。各項目ごとに焦点を当て、整理された形で情報を提供することが重要です。
学習面では、子どもの授業に関する成績や取り組みに焦点を当てます。例えば、
- 国語「ごんぎつね」で行った音読コンテストでは、ハキハキとした声と抑揚を込めた読み方が聞き手を魅了しました。
- 学級会では司会に抜擢され、クラスのみんなが意見を出せるように指示を出すことが出来ました。
など具体的な進捗を短く述べましょう。学習における強みや課題も明確に伝え、保護者との共有を意識します。
一方で、生活面では、学校やクラスでの態度や協調性、友情関係などに焦点を当てます。
例えば、
- 掃除の時間では、同じ担当の仲間と協力しながら取り組む姿がありました。
- 〇〇フェスティバルで、クラスの仲間が困っている時に「大丈夫?」と声をかけ、協力的な態度が育っているなと感心しました。
といったポジティブな要素を挙げ、子どもが学校全体でどのように過ごしているかを端的に伝えます。
このように学習面と生活面を分けて書くことで、保護者は子どもが学校生活をどう過ごしたかを、総合的に把握しやすくなります。
読み手である子どもや保護者が「安心」することが大切ですね。
「1日〇人」を重ねていくことで、負担激減
私は今年6年生の担任をしていて、37人学級です。37人を一日で一気に書くなんて、考えるだけでゾッとしてしまいますよね。
でも、提出締め切り直前に焦って作成してしまうんだニャン・・
そんなねこ先生には、「1日〇人」と作成するハードルを下げるマインドを紹介します。
例えば、提出締め切り前日に37人の通知表所見を一気に作成するとして、
1人あたり15分分かかるとしましょう。
15分×37人=555分→約9時間強かかります。
子どもを下校させるのは、16時ごろなので終えるためには青天井ですね(笑)
ですが、1日3人の所見を3学期スタートから始めてみることにしましょう。
なぜなら、通知表所見は毎年必ずあると分かっているから。
15分×3人=45分
45分なら、放課後だけでなく空き時間やスキマ時間を見つけてできそうですね!
37人分なので、13日あれば完成します。
となると、3学期スタートからなら年度末反省や引継ぎ作成などで忙しくなる3月を待たずして通知表所見が完成します!
確かに!やってみたいんだけど、なかなか放課後に時間をつくれないんだよな~。
そんなあなたには、この記事がオススメ!
負担感を減らすことで、ただでさえいつも忙しい先生でも「やってみよう!」ってなれば嬉しいですね。
作成する時に、自分のモチベーションがあがる方法を見つけ出せるといいですね!
ノボルが実際に作成した所見文例集!
ここでは、通知表所見を作成する時のヒントになればと、ノボルがこれまで作成した所見文例を紹介します。ただし、注意点が1つ。
目の前の子どもの成長を一番理解しているのは、担任・担当の先生であるあなた
通知表所見の目的は、
学校生活における子どもの成長を言葉で綴ることで将来への手がかりを提供する
ことです。
だからこそ、子どもに渡す通知表では、本やサイトに書かれてある所見文例を一言一句そのままの言葉で渡したところで、本質的に意味がないということ。
やっぱり教師として、評価をすることは手を抜いてはいけないと私は思います。
だからこそ、ノボルの文例を参考に、最高に伝わる通知表作成を仕上げてくださいね!
〇学習したことをノートにまとめる力が1学期に比べてさらに伸びてきました。
〇黒板に書かれていないことを自分でメモし整理できることが特に素晴らしく、矢印や図を使ったり、内容を分類したりするなど工夫できるセンスの良さに驚かされます。
〇学習では、気になるところをそのままにせず、担任のアドバイスを生かしながら努力する習慣が身についてきています。
〇学習では、難しそうな課題でも勇気を出して、まずは少しやってみるということを続けてきました。
〇プレゼンテーションは根拠が明確で分かりやすく、資料を提示しながら聞き手に問いかけるように話すので、みんなの心を引き付けて納得させることができます。
〇授業中は友だちの考えに真剣に耳を傾け、新たな視点で考えを見出して発表することができるようになってきました。
〇社会では、調べた内容ごとに分類し、関係性を矢印でつないで表したり、キーワードを色で強調したりと、振り返りに活用できるすばらしいノートになりました。
〇学習の中身そのものを、目を輝かせながら楽しんでいました。友だちと励まし合いながら学習する姿が、数多く見られました
〇学習全般に安定感があり、そのバランスのよさには、目を見はるものがあり 習ったことをよく理解し、てきぱきとこなしていく力があります。
〇国語「大造じいさんとがん」の学習では、主題にせまる学習で大切な叙述を適切に読み取る力の伸びを感じました。
〇国語「手塚治虫」の学習では、手塚治虫の人物像にせまるために、人物の思いをさまざまな方法で読み取ることができていました。
〇学級をじわぁっと温かな、ぬくもりのある空気にしてくれます。
〇男女を問わず誰とでも仲よくでき、自分から楽しい話題を投げかけることができるので周りにはいつも笑いがありました。
〇人への思いやりのある言動は、みんなにもよい影響を与えていました。
〇人の気持ちをくんで行動することで、みんなのチームワークを高めてくれました。
〇ひかえめながら、しっかりとした考えを持って行動していました。
〇ここぞという時には、自分の考えをはっきりと主張していました。
〇言うべきことははっきり言いつつ、相手のことも大切にすることができます。
〇「何か手伝うことはありますか」「それやります。」と自分から行動する姿には頼もしさを感じます。
〇プリントを渡された時には必ず「ありがとうございます」と気持ちの良い声でお礼を言うことができ、大変好感が持てました。
〇誰にでも分け隔てなく手を貸してあげたり、人が敬遠しがちな仕事も進んで引き受けたりできるので、周りからの信頼も厚いです。
所見を書くときに役立つ、ノボルのおすすめ書籍
私は、はじめこれらの本を読んで大枠を理解しました。文例を読むだけでなく、「通知表を書くときに心がけること」や「文書を書くということで、保護者に何を届けるのか」という視点で読むと、自分が書いた所見の内容に違いが出るようになりました。
実は、こんなことがあったんです!
ある年に、通知表所見を管理職の先生に提出したら、
「ノボル先生の通知表の書き方を、学年の先生だけでなく、ぜひ〇〇先生や〇〇先生にも教えてほしい!というより、〇〇先生にノボル先生に聞いておいでって言ったから!」
えっ!もう言ったんですか!(笑)
褒められるって嬉しいもんですな~!
きっと、そんな風に褒めていただいたのも、この本に書かれている文例を使ったのではなくて、これらの本を読むことで「通知表の目的」「意図や本質」を理解したからです。
はじめのうちは「何を書いたらいいかわからない」ので、本やサイトを参考にすべきです。でも、こういった本よりも参考になるのが、自分の所見を見てもらった時に先生から教えてもらったメモや、自分が書き残しているメモです。
実地に勝るものはありません。先輩に読んでもらったら、どうしたらこういう文章を書けるのか、自分の所見と何が違うのかなどを、自分の頭で考えて、そしてメモすることが大事です。
まとめ 通知表所見作成のコツ
- 学校生活における子どもの成長を言葉で綴ることで将来への手がかりを提供する
- マイナス言葉は書かず、徹底的にプラス言葉
- 「1日〇人」を重ねていくことで、負担激減
いかがだったでしょうか。
通知表所見は、毎年あるものです。
それは、毎年レベルアップできるものと捉えることもできます。
一年や二年では、うまく書けなくて当たり前です。
先輩や学年の先生にアドバイスをもらいながら、自分の気づきを深めていきましょう。
その積み重ねが、確実に保護者に届く通知表所見になります!
ぜひ、この記事の内容を試してみてくださいね!
以上、「通知表所見の書き方にはコツがある!小学校編」の話題でした。
ほいじゃあね~👋